降圧剤を使用するとき、それはどんな時でしょうか?血圧をさげ、様々な病気を予防するためです。ですがその降圧剤を飲むことによって死亡リスクが高まるといった研究結果が発表されています。どうすることが正解なのでしょうか?

突然起こる脳卒中や下肢動脈硬化症の予防に降圧治療

血圧が高い状態が維持されてしまうことは多様な疾患のリスクをもたらします。血圧が高いというのは動脈内の圧力が高まっている状態であり、それだけ血管壁に負担がかかります。その圧力に耐えようと身体が適応していくことにより血管壁が肥厚していき、本来は薄くて柔軟性が高かった血管壁が厚くもろくなってしまいます。こういった状況が動脈硬化であり、血管が狭くなって血流が悪くなり、血栓が生じて閉塞しやすくなることに加え、ふとした拍子に出血してしまうリスクが高まります。高血圧では動脈硬化を代表とする合併症のリスクを下げるために降圧治療が行われるのが基本であり、降圧剤が比較的初期から使用されます。降圧剤によって血圧を正常な領域に保つことができれば動脈硬化が起こりにくくなるからです。動脈硬化に伴って生じる疾患は突然現れるものと徐々に進行するものがあります。突然の症状で周囲を驚かせることが多いのが脳卒中や心筋梗塞です。突然意識を失って倒れたり、胸を押さえて苦しみだしたりして緊急入院となることがほとんどです。一方、徐々に進行するものに下肢動脈硬化症があります。足で起こる動脈硬化が下肢動脈硬化症であり、これによって動脈の流れが悪くなると徐々に足のしびれといった症状が生じます。下肢動脈硬化症の進行に伴って症状も強くなり、酷くなると下肢の麻痺が起こってくるのです。それでもなお進行させてしまうと血流が完全に止まってしまって壊死を起こしてしまう状況になるというのが下肢動脈硬化症の特徴です。こういった異なる病態を示す疾患を合併する危険性が高いのが動脈硬化であり、その予防のためにも高血圧に対しては降圧治療が基本とされているのです。